石井院長コラム|予言と予測、株価はどうなる?

 

石井院長コラム

予言と予測、株価はどうなる?

Prophecy, Prediction, and the Wisdom of Knowing Nothing


石井院長

株価・大預言・投資スタイル

資産分散の知恵

誰でも将来のことを知りたがるものです。自分の将来はどうか、いつになったら結婚できるのか、出世するか、希望する大学に入れるか、近所にクマなどは出ないか、などなど、いろいろあります。そのため、多くの人が街の占い師に手相をみてもらったり、本屋さんで占いの本を立ち読みしたります。毎朝のテレビ番組でも占いコーナーなんかがあって、「あなたの今日の運勢は?」などやっています。私は「そういう占いなど、実にばかばかしい」と人に言っているわけですが、たまたま朝つけたテレビで『星座別:今日の運勢ランキング』などやっていると「まさか天秤座は最下位じゃないよな…」と気になり、ついつい自分の星座が出てくるまで、辛抱強く見てしまいます。

もっとスケールの大きな、『人類の○△大預言』みたいなものも、人類史始まって以来、多く人を惹きつけてきました。代表的なところで、中世ヨーロッパで人々に不安をかきたてた"聖書の終末予言"。現代では1999年7月の"ノストラダムスの大予言"が有名です。最近では、『2025年7月に大津波が日本を襲う』という預言が外国人旅行者の激減を招くなど、騒動を巻き起こしました。これら預言に共通しているのは、過去に的中した実績があるということです。しかし、結局、これら"世間を騒がせた大預言"は、どれも実現しませんでした。その他にも、"世の中で有名になった予言"というのは、ことごとく、外れているようです。この経験からすると、今後、少なくとも『世間で有名になり、多くの人が信じるようになった"大預言"というのは、まず当たらない』と、安心してよいでしょう。

一方、金融経済の世界はどうでしょう。ここ数年、株価がどんどん上がって絶好調です。日経平均株価も米国株価も、この5年間で、倍以上の値上がりです。そういった中、最近では、逆に"株価大暴落説"、しかも"歴史上、最大規模の大暴落!"を唱える経済専門家が増えてきました。その根拠として、いずれも、米国・その他主要国の"財政の悪化"や"数十年単位の相場周期"をあげています。"占い"や"大予言"と異なり、経済・金融の予測は、"経済金融理論・データ分析"に基づきます。ですから、それぞれの論調が理路整然として、聞くにつれ、本当に暴落しそうな気になってきます。そして今、彼らの株価暴落説に対し、賛同する人が、増えてきている状況にあるのです。

となると、先にあげた"大予言"に対する教訓が、思い出されます。『世間で有名になり、多くの人が信じるようになった"大預言"というのは、まず当たらない』。株価の予想も同様か?となります。実際、過去の歴史を振り返るなら、株価の大暴落というのは"誰もが油断している時"に起こりました。1637年のオランダの大暴落もそうですし、1929年の世界大恐慌の時もそう。2008年のリーマンの時も同様です。当時、暴落など言う人は、ほぼいなかったのです。『大預言の教訓』からするなら、「株価暴落を気になる人が増えれば増えるほど、それは起こらない」となります。

また、仮に、株価が急落した場合でも、1929年の時とは違い、今、日本をはじめ、先進国各国政府は黙ってはいません。最近は為替に対して、積極的に国が介入してきますが、株価急落の場合、必ず国家が株を買い向かってきます。なぜか?株式に投資している企業、年金基金、さらには最近は、NISAの影響で個人投資家も、多くなってきています。もはや、株価変動の国民に対する直接的な影響が"無視できないもの"になっているのです。もし、株価の大暴落など起きようものなら、政府の経済政策に対する非難が集中するでしょう。そうなると、選挙に少なからず悪影響がでます。それがわかっていますから、政府与党は、しっかり株価を支えようと、行動に出ることになります。···ただ、その場合、財源として、国の借金である国債が、増発されることになる。それにより、国の財政は、さらに悪化するでしょう。そうなると、株価下落の危機が逆に高まることになる。···よって、議論は元にもどることになります。

私は普段、金融経済の話になると、このように、いろいろ頭の中で考え、予想をたてようとするのが習慣になっています。というか、そうするのが楽しいわけですが…。しかし、現時点での金融経済の予想は、以上で述べてきたように、極めて難しくなっているようです。こういった局面においては、むしろ"予想や予言を基にした投資"ではなく、自分の性格に合った"資産分散"が最も重要と考えます。

昔、知り合いの大先輩の医者に聞いたことがあります。私のとても尊敬する先生です。「先生、何か投資とかやってますか?」それに対し、先輩は答えてくれました。

「やってるよ。だけど投資については、よくわからないから、証券会社の人に、『一番変動の激しいのをやってくれ!』とだけ頼んで、すべて任せてるんだ。ワッハッハ」

とのこと。自分が、どういうものを買ってるのか、も知らないし、そもそも経済とか金融とか、どうなってるのか、本当に知らないようです。ただ、投資のスタイルは決めていて、それを崩さない。それを聞いて、この先生は、やはりすごいなと、あらためて好きになり、尊敬の念をもったものです。

今日の結論として『結局、予言も予測もあてにならない。重要なのは、自分の決めた投資スタイルを崩さないこと』…ということでお願いします。なお、投資は激しい投資ではなく、あくまでリスクを抑えた分散投資をお勧めします。

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