中東原油、たいへんだ~?
On Oil, Memory, and the Wisdom of Those Who've Seen It Before
皆さんご存じの通り、中東からの輸入原油がストップして2か月になります。戦闘状態はひとまず落ち着いているものの、なにやら不穏な空気が漂っています。
日常生活の中で我々の多くが依存し、もはや生活の一部となってしまっている石油化学製品。たとえば、ポリエステルなどの繊維製品、ラップや食品トレーなどのスーパーの食品売り場・家庭の台所用品、そして注射器や医療手袋などの病院で欠かせない医療消耗品など、枚挙にいとまがありません。専門家によると、今のところまだ備蓄があるものの、今後、品薄になっていく。現にその影響が出始めている、とのこと。ホルムズ海峡が解放されたとしても、この状況はしばらく続くようです。
ところで、半世紀ほど前、1970年以前を振り返ってみると、石油化学製品はもちろんありましたが、今のように世の中に満ち溢れるほどではありませんでした。
病院に行くと、注射器や注射針は一度患者さんに使った後、煮沸消毒してから他の患者さんに再利用される。医者たちも手術でもなければ手袋などしません。患者を診察し、終わると椅子の横に置いてある水の入ったたらいで手洗い。そして次の患者の診察にうつる。ワクチンなんかは針の使いまわし……さすがにそれは後に大問題になりましたが……当時は当たり前でした。
こうして昔を振り返ってみると、今後の事態に対する受け止め方というのは、ある世代を境に、大きく2つに分かれるのではないか、と思えてきます。
皆さんにとって、石油が来ない世界は生まれて以来、経験したことのない世界。人が経験のない世界に直面すると、それが好ましからざるものなら、パニックは免れません。
一方、現在70歳代以上の方々にとって、こういった世界はかつて若いころに経験した世界。便利さはないものの、むしろとても楽しかった世界。1973年の石油ショックなど、いろいろ経て今がある。だから、今の若い世代が感じるような不安も恐怖もないでしょう。
今後どうなっていくのか、近い未来とは言え、それは誰にもわかりません。しかし、あなたが50歳台以下の若者で、今、漠然とした将来に対する不安を感じるなら、近くにいる70代、80代の方に声をかけてみるのもよいでしょう。彼らの話によって、何か気づきがあるかもしれません。

